キセキノお勧めの一冊(第8回)
受験に向かう生徒、就職を目指す生徒。キセキノ生も日々勉学にいそしんでいます。
昨日まで連休でしたが、今年はコロナ禍であまり外に出れませんね。ここは読書の秋と洒落込んではいかがでしょう。
今回はキセキノ塾長、松宮からの推薦。
「望み」(雫井脩介(著))です。
初回以来の小説の紹介。
一時期、少年犯罪物に興味を持っていた頃に読んだ作品です。
ある日、高校生の息子が帰宅せず連絡も途絶える。
両親は警察から息子の友人が殺害されてと聞かされる。
行方不明の少年3人のうち、逃亡中なのは2人。
自分の息子は殺人など犯すはずはないと信じる父親。
殺人犯だとしても生きていて欲しいと願う母親。
果たして息子は殺人者なのか被害者なのか…
自分の子供が人を殺したなどと思えますか?
自分の子供が死んでしまったなどと思えますか?
両親の葛藤する思いが伝わってきます。
加害者だと決め込んで加熱する報道や、周りからのバッシング。
そういった世間の嫌な部分も描かれています。
因みに、「望み」は映画化され、10月9日(土)から公開されます。
「私ならこうする」「私ならこう思う」
作品に触れた時にはそう思うこともあるでしょう。
しかし、実際にその現場に居合わせたら、当事者だったら……ましてやそれが自分の子が関わっていたらという物凄い葛藤。
周りからの視線、言葉も加わり、その中で理想通りの選択ができるでしょうか。
映画公開も近いので一度読んでみてはいかがでしょう。
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