キセキノお勧めの一冊(第10回)
今年度もあとわずか。キセキノ生も次々と進路が決まっております。
3月には卒業。キセキノ初年度に入塾した生徒たちは遂に全員が羽ばたこうとしています。
さて、今回は塾長の松宮からの推薦。
「色のふしぎ」と不思議な社会 2020年代の「色覚」原論(川端裕人(著)」です。
本書では、色覚のメカニズムが詳しく説明されています。
最新の研究も紹介されていて、専門用語もほぼ出てきていないので、読みやすく理解しやすい内容になっています。
色覚のしくみが非常に良く理解できると思います。
ところで、自分は色弱です。
今は、先天色覚異常というらしいです。
ですが、日常生活にほぼ影響はありません。
差別されたりなどの不都合を受けたこともありません。
本書でも触れられていますが、色覚異常者の中には不利益を被ったり、いじめられたりといった経験を持った方もいらっしゃるのでしょう。
自分のように全く何の影響もない人も少なからずいるものと思います。
自分は隠すことでもないと思っているので、割とオープンにしています。
色覚異常に全くネガティブなイメージを持っていない自分としては、本書の社会的背景などに関しては、ちょっと偏っているのかなといった印象はありました。
ただ科学的知見など、よく取材されていますので、「色」「色覚」に関心がある方は一読することをお勧めします。
先日、ちょっと良い話がありました。
いや、「ちょっと」ではなく「かなり」良い話です。
ですので、是非紹介させて頂きたい。
「ユニバーサルカラー」をご存知でしょうか。
色覚異常者にも分かりやすい色使いをしましょうというものです。
なのですが、報道などで紹介されるユニバーサルカラーって、それ以前のものと色が違っているのは分かるけど、たいして見やすくはなってないじゃん!くらいのものでした。
ここからが良い話。
全国各地の公営塾をコーディネートしている会社主催の勉強会があり、講師として北陸大学の山本教授が招かれました。
その事前配布資料が秀逸!
色覚異常者へ配慮して作られたのが、すぐに分かりました。
具体的にどのようになっていたのかは伏せますが、このようなさりげない気遣いができる山本教授はきっと素敵な人なんだろうと思います。
残念ながら、当日は別件の予定があって勉強会に参加出来なかったのが心残りです。。。
近年では様々な発見があります。これまで知られていなかった特性や病気、障害など、情報社会となってその正体が判明するようになり、我々もそれを知ることができるようになりました。
ブログを担当している牧野も昔から悩んでいたことが体質だったり、実は治療が必要だったなど知ることができ、ようやく適切な対処をできるようになっていった経験を持ちます。
「人と違う」ということは、「自分はおかしい」という劣等感に繋がることもあります。特に多感な時期であり、どうしても周りに比較対象がいる生徒たちには大きな問題となります。
しかし、一人一人の「違い」を「個性」と受け入れられるようになるためにはしっかりと学んで知る必要があります。
この本みたいにその一助になる本と出合えるといいですね。
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