キセキノお勧めの一冊(第1回)
夕張もようやく夏らしくなってきました。
徐々に近づく受験。キセキノでもこれまで以上に生徒たちが勉強にやる気を見せています。
さてここまで二年間、キセキノで生徒たちと関わっている中で何度か生徒たちから聞いたのが「文章が苦手」という言葉でした。
記述式の模試、試験問題は確かに誰もが苦手とするところかもしれません。
受験では小論文や論作文に不安を抱えている生徒も多いと思います。
自分の想いを言葉にしてまとめる。
それは普段から繰り返し様々な文章を読み、多くの語句に触れ、言葉の使い方に触れ、自ら使うことでようやく培われていくものです。
だからこそ、よく人は「本を読め」と言います。
しかしこれだけ多くの本があふれている中、何を読めばいいかわからない。
ならば我々キセキノでその一助となりたいと思います。
先日の記事でもお伝えした通り、せっかくキセキノにはたくさんの本があるのでお勧めの本を週に一度くらいのペースでキセキノ講師陣がご紹介させていただこうと思います。
入門から教養まで幅は広いですが、どれかが生徒の、或いはこのブログをご覧になって下さる方にとって参考になれば嬉しいです。
それでは記念すべき第1回です。
今回はキセキノ塾長、松宮からの推薦。
「おやすみの歌が消えて」
(リアノン・ネイヴィン(著) 越前敏弥(訳))です。
ある日、小学校でおきた銃撃事件。
その銃撃事件で兄が殺されてしまった6歳の男の子ザックの視線で描かれています。
ザックが兄を失ったことに対する悲しみやそれ以外の感情など
(実際にザックは常に悲しんでいる訳ではありません。)
6歳の男の子が何を感じて、どう日常を過ごしていくのか。
そういったザック自身のこと以外にも、子を失った両親の心情や加害者家族に対する憎しみ、加害者家族の心境などもザックがその大人達を見てザックがどう感じたのかという観点で物語は進みます。
当然ですが、自分も実際に銃撃事件など経験したことはありません。
身内が事件の被害者になったこともありません。
ですが、6歳の子供だった頃はあります。
子供ってそんなもんだよな、自分も子供だったらそう感じるだろうなと共感できる部分も多々あり、そういったところが、この作品にリアル感を出しているのかもしれません。
どのようにして、6歳の男の子の語り口を表現するのか、訳者の方も非常に苦労されたと思います。
その辺りの話は訳者あとがきに記されていますが、とても秀逸な翻訳でした。
自分は読み終わったあと泣きました。
本を読んで泣いたのは初めてかもしれません。
大人の方はもちろん、6歳の男の子の語り口調の文章なので、
小学校高学年くらいの子でも本に興味があるのでしたら容易に読み進められると思います。
ご紹介した本以外にも夕張学舎キセキノにはたくさんの本があります。
蔵書の塾生への貸し出しも行っていますので是非ご利用ください。
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