キセキノお勧めの一冊(第5回)
夏の風物詩の一つと言えば甲子園。
白球を追いかける姿は毎年全国の人々の心に刻まれていました。
残念ながら今回のコロナ禍では野球部はもちろん、多くの部活の大会が中止や特別大会という形になってしまいました。
高校生活の集大成の時にこんな事態に遭遇するというのはとても残念なことです。何かの形で少しでも報われたらと願っています。
さて、今回はそんな高校野球についての一冊です。
塾長、松宮からの推薦。
「オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない! 野球留学生ものがたり」(菊地 高弘 (著))です。
著者の高校野球への愛情が伝わってくる作品。
スタンドから野球留学生に対する野次を聞いた著者が、違和感を覚え、各地の野球留学生や監督の生の声を聞いて回ります。
実は、自分も少なからず野球留学生に偏見を持っていました。
否定するわけではないですが、北海道代表に他都府県の生徒が混じっていることへ多少なりとも違和感を覚えていました。
ところが、生徒達の思いは純粋でした。
その高校で野球がやりたい。甲子園へ行きたい。
監督達もそのような生徒達の気持ちを受け、高校生活だけではなく、将来のことまで考える。
野球留学生に対する考え方が変わると思います。
その高校から甲子園に行きたい。その監督のもとで野球がやりたい。
高校に魅力があるから、他地域からも生徒が集まる。
このことは、自分が今携わっている仕事にも通じるものがあります。
実際、本書では隠岐島前高校の名前も出てきます。
(詳しく語られる訳ではないですが)
高校野球好きな方にはもちろん、高校魅力化に関わっている方も読んでみると面白いと思います。
最後に一言。
生徒達の声を聞くと、地元では批判的な声より声援の方が多い印象を受けます。
結局、変にあおっているのはメディアなのかなとも思います。
「○○県代表」と言ってもメンバーに地元の子がほとんどいない。
強豪校にはそういった所も多く見受けられ、それに対する非難も見ることがあります。
しかし生徒たちは各地から集まった精鋭たちの中でレギュラーを競い、勝ち取らなければなりません。親元も離れて生活することは、決してただの「部活」ではできないことだと思います。
この一冊を読みながら、また一度考えてみてはいかがでしょう?
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